何年前のことか、もう十年近く経つでしょうか。ある芸術家の方が、当社にご自身の顔の成形品を依頼されに来られました。恐らく何かの型取り材を使用して作ったと思われる‘ご自身のお顔’を持って。
お面を作り続けて来ていましたから、人の顔に興味は持っていました。ただその頃からでしょうか、明確に‘私もリアルな顔のお面を作ってみたい。できれば色の着いた写真のような仕上がりにして。’と考え出したのは。
それから幾年も経って、ある展示会に行った時のことでした。3Dプリンターが世の中に知られ始めた頃で、展示会にも複数の3D関連ブースが立ち並んでいました。そこで声を掛けられたのです。‘3Dスキャナーをご覧になられませんか?’
一通りの説明を受けた後に逆に、無理を承知で私は彼にお願いをしました。‘今後の参考に、僕の顔をスキャンしてもらえませんか?出来ればそのデーターも欲しいのですが。’ 実店舗で依頼すれば多額の費用がかかる作業です。しかし、展示会と言う状況の中で彼も気持ちが弾んでいたのでしょう。‘いいですよ’
その時にもらったデーターを使用して作ったのがこの顔のお面です。初めての実写のお面で、私は‘実写面’と名付けました。このお面あったからこそ、この後の実写のお面の製作が続いて行くことになるのです。
仕様。
材質は塩ビ0.4ミリ厚白材。加工工程はインクジェット出力→成形→外周ハンドカット→両耳穴(2工程)となりました。
追記.
画像スライダーの最後の一枚。これは写真に合わせずマット肌材で成形をし、手塗りで目と口を描いたもの。これはこれで気色の悪いものとなりました。
今コロナウイルス感染者が急増してますが、マスクに代わり完全防御のマスクを作ってみてはどうでしょうか?顔に付いたウイルスは目や鼻から侵入します。お面型マスクなら完全に防御できます。蔓延地域や医療従事者には必要です。透明の塩ビかプラスチック製で眼鏡も使えて呼吸する口の所は張り替えできるウイルスを通さないマスクがあればいいと思います。特に中国は長引きそうなので需要はあるでしょう。
お世話様になります。ご連絡ありがとうございました。残念ながら、医療等の用品を製作する意思はありません。ご提案ありがとうございました。