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完全オリジナルお面10枚を税抜15万円で作るには。


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お面の製作工程をおおまかにお話しすると、

(原型作成)→(成形型作成)→(成形)→(外周抜型・彩色カバー作成)→(外周抜き)→(目・耳穴抜き)→(彩色)→(ゴムひも付け)→(注意シール貼り)→(袋入れ)→(梱包)→(発送) となります。

こう見ると、お面とはかなり手の込んだ工業製品だということがお分かりなると思います。

例えばご予算が税抜20万円とします。この金額で進められる工程は、二つ目の成形型作成途中まで。 頂く多くのお問い合わせの中、正直この20万円でさえ予算としてほとんど考えられていないのが実情です。

小ロットのおめんをもう少し抑えた費用で何とか生産できないか?私たちの課題でした。

<できることはお客様にもして頂く><預かれるものは提供して頂く><高価な設備は使わない>そして<70〜80点の仕上がりを目指す>

これが私たちの出した結論です。
                       
お面の製作過程を追ってみる。

今回作成例の対象に選んだのが、セルロイド人形のミーコ。当社のお客様である平井玩具製作所の平井社長様が大事にされているキャラクターです。このミーコのお面を前述の通りに製作していけるかを行ってみました。

1.スキャンの対象物をご提供頂く。
型代の中で大きな割合を占めるのが、原型です。
通常はお客様から頂いたイラストなりから原型師がイメージをふくらませながら作成して行きます。
素材は、粘土で形状を作り、鋳型用にFRPなど固い素材に反転という工程を取ります。
この工程を簡素化します。 
                       

セルロイド人形ミーコ

3Dスキャンデーター
ミーコの場合は、その頭部をスキャンしました。このように顔のデーターが取れる対象物を頂ければ、後は多少の修正と寸法をそろえるだけで、原型を製作することが出来ます。

ただし、対象物とするには条件があります。
1.版権等々権利を有しているもの。
2.表面状態が極めてきれいなもの。
3.真空成形の条件をある程度満たしているもの。
スキャンは小さなものなら針による接触式、大きなものなら光学式の非接触式で行います。
前者は接触式だけに表面状態をしっかり拾ってしまいます。状態が悪ければ、そのまま出てしまうのです。後者は大きなものが取れるというメリットの代わりに、細かなところが取れません。これはあくまでも当社設備(ホビーレベル=高価な設備は使いません)の話ですが。今回の生産方式の場合、元々7〜80点の出来を前提に考えていますからそこまで精度はいらないと思っています。

成形条件を満たしているというのは、こう考えてください。全ての箇所で、富士山のような末広がりの傾斜がついているか平らである。いきなり上がって、いきなり下がらない。井戸のように、間口が狭く深い部分がない。後は実物を見てみないと、私にも判断できません。

私の方でも、若干の手直しはさせて頂きます。しかし、基本はそのままのデーターを使用します。状態が悪いものなら、成形条件に支障があるようなものなら、そのままそれがお面に表れます。

スキャンの対象物は、小さなものでも構いません。データーを拡大しますから。腕に自信がおありなら、手のひら程度の大きさでも構いませんので、固い素材で対象物を作ってください。
切削データーのご提供でも構いません。条件は対象物の場合と同様です。

2.成形型を作る。
成形をするための型作りです。通常は、原型を鋳型(金型)に反転して作ります。
この工程を簡略化します。
                                         

ミーコ成形型切削中

素材は、合成木。
1で作ったデーターを直接削り込みます。
合成木で作った成形型はあくまで簡易型、数多くは成形できません。
しかし自社内で製作出来ること・仕上げや真空穴開けなどの作業が金型に
比べれば格段に楽なため、製作費用を抑えることができる。
あくまで10枚を作るために、使う型。 

3.色を着ける。 
色数によっては原型よりも高くつく、マスキングカバー・シルク版です。
マスキングカバーは通常、電鋳(メッキ)で作ります。
この工程を簡略化します。
                       

印刷成形用データー

簡易マスキングカバー
ミーコの場合は、印刷成形の生産方法を使いました。
成形時の伸び縮みを計算して、印刷データーを作ります。
通常ならば、このデーターからシルク版を作ります。
しかし小ロットに、何万円もかけられません。
マスキングシート等で養生して、塗装をかけます。
手間はかかりますが、10枚程度ならば何とか行えます。
右画像は、成形品をハンドカットして作った簡易カバー。
形状・場所によっては、この方法が有効になります。
マスキングシート等を使って養生→塗装を行う場合、電鋳のように対象物がしっかりしていないため細かな切込みを入れることが出来ません。また塗装後に加熱して成形を行うため、カバーで後塗装する着色方法に比べ形と絵柄とのズレが生じやすくなります。そのため、お面自体の高さ(厚み)は上げられませんし、複雑な形状は出来ません。ミーコのような起伏の緩やかなシンプルな絵柄に有効な方法だと思います。

右画像はオオカミの鼻を黒く塗装するために、成形品のその部分を切り抜いています。凹凸のある部分をハンドカットするのは思った以上に難しいものです。これはマスキングシートに切れ込みを入れる作業でも同じことが言えますが。加えて成形品は部分を切り抜くことで全体の強度が下がり、ゆがみます。その結果、塗装対象物との間に隙間があき、塗装時に所謂‘吹きこぼれ’というラインがぼける現象が生じ易いのです。

これらの生産方法は、あくまでも70〜80点の仕上がりを目指しているからこそ使えるのです。


4.周りをカットして、耳の穴をあける。 
形状にそって外周を切り離すのに必要なのが、外周抜型です。
耳の穴あけは、既存凹凸型と固定治具をプレス機にセットして行います。
この工程を簡略化します。
                       

ハンドカット

ハンドプレス
外周は形状に沿って約2〜3ミリのつばをつけて、ハサミもしくはカッターで切り抜きます。一枚一枚手で切っていくわけですから、型を使って抜いていくようにきれいに一様には出来ません。角張って危ないところをサンドペーパーで丸めます。

耳の穴はハンドプレスを使って、直径2ミリの穴を開けます。
機械で開ける穴より若干大きいため、ゴムが抜けやすくなります。その分、ゴムひもの結び目を大きくします。

5.目の穴は開けません。 

目の穴あけは耳の穴同様、既存凹凸型と固定治具をプレス機にセットして行います。
この工程を簡略化します。

つまり開けません。
目の穴は、見た目を大きく変える場合があります。お客様の趣向で大きさや位置を決めてお開けになられてください。
飾っておくだけならば、目の穴は開けないのが元のイメージを一番残す方法です。

もしお面を使って遊ばれるならば、頭かおでこ(額)につけて頂くようお願い致します。お面は顔につけますと視野が狭くなり、思わぬ事故の危険が生じますので。

ちなみに私の開け方。
ホームセンター等々で売られているポンチでぐりぐりと少しずつ開けて、最後にサンドペーパーでバリや形をきれいに整えます。


4.そして完成品。税抜15万円でオリジナルは作れた。 
仕上がりを細かく見ると、目に気泡が。
塗装用の塗料を無理矢理、印刷成形に使ったのが原因かも知れません。
これも70〜80点の出来の内と思っています。
                                      

完成品

目に気泡
成形機以外、業務用の器具は使いませんでした。
ホビーだったり、事務用だったりと。

全てのものに適用できるとは思っていません。
けれど、適用できるものは多いのではないかとも思っています。
   
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